脱毛のペースが少し遅くなり、抜ける本数が少なくなってきた。
だからと言って喜べる状況ではない。
すでに多くの髪が抜けてしまっている。
女性にとって大切な髪を失うのは本当に悲しいだろう。
まったく同じ感情になることはできないが、苦しみは容易に想像がつく。
(共に闘う夫)
妻が子宮体癌を発症し、夫が扁平上皮癌を発症してしまった夫婦の闘いの日々
脱毛のペースが少し遅くなり、抜ける本数が少なくなってきた。
だからと言って喜べる状況ではない。
すでに多くの髪が抜けてしまっている。
女性にとって大切な髪を失うのは本当に悲しいだろう。
まったく同じ感情になることはできないが、苦しみは容易に想像がつく。
(共に闘う夫)
髪の抜けるペースが早まり、鬼のような本数になっている。
抜け始めてからある程度の日が経つが、やはりゴッソリ抜けると悲しみも大きくなるらしい。
妻にかける言葉はいつもと同じ。
「それは薬が効いている証拠」
(共に闘う夫)
妻の頭髪の脱毛は続いている。
頭皮がヒリヒリ、チクチクと痛いらしい。
それは抗がん剤が活動しているからなのか、その結果で毛根がダメージを受けているからなのか。
(共に闘う夫)
入浴していた妻が目にいっぱいの涙をためて浴室から出てきた
とうとう頭髪の脱毛が始まってしまったのである
覚悟はできていたはずだ。
頭では分かっていたはずである。
覚悟はできていても、分かってはいても実際に髪が大量に抜け始めるとショックは大きいらしい。
髪に指を入れると尋常ではない本数の毛が絡みついて抜けてくる。
やはりショックだろう。
妻に声をかける際の台詞は決まっている。
「薬が効いている証拠」
だから悲しくても辛くても頑張るしかない
(共に闘う夫)
宿泊施設を出てから、駅前の百貨店でかつらを買った。
絶対に髪が抜けるのは分かっているし、家は少し田舎なのでウィッグを売っているようなお店はないので、買うのは今日しかない
少し疲れていたが、入院中に患者さんから教えてもらったお店へ行き、いくつかお試しでかぶって決めた。
人毛が入っていると10万円以上するらしいので、合成繊維のものにした。
かぶっていると少し熱いが、値段は5万円ちょっとと安い。
まだ髪があるので、抜けてから大きさは大丈夫かと質問したところ、6ヶ月以内なら無料で調整をしてくれるそうだ。
まだ髪が抜けるという実感はないが、これで準備は出来た。
近所に買い物に行ったら、髪を切ってもらっている美容師さんに会った。
入院していることも知っているし、手術前にもバッサリ切ってもらっている。
今は外泊中で、正式な退院は来週になると話し、抗がん剤で髪が抜けることも話した。
退院後に、さらに短くしておきたいので、帰ってきてから髪を切ってもらうようにお願いしておいた。
そして、
「お客さんで抗がん剤を受けている人もいるし、今は元気になっているよ。」と励ましてくれた。
また泣きそうになった