髪にまつわる話し 二本目

髪にまつわる話し

若い頃はロン毛だったと前回も書きましたけど

今は完璧なオッサン顔ですが、当時は自分で言うのもなんですけど女性的な容姿でした。

女性に間違われるというより、誰も男だとは思ってくれなかったというほうが正しいかも知れません。

当時は金のない学生で、風呂なしのボロアパートで暮らしていたので入浴は銭湯ということになります

ある日、いつもとは違う人が番台に座っておりまして

お金を払って入ろうとすると、
「あっ  違う違うっ  女湯はあっち 
と大声で言われました

まるで女性のような姿なのに加え、その日は両胸ポケットにタバコを入れていたので膨らんだりしておりましたものですから、番台のおばちゃんが慌てて制したのも無理はないでしょう。

「俺、男だから」
と言う私に、おばちゃんは
「そういう仕事なさってるの
などと聞いてくる始末

それからというもの、その銭湯に行くのが嫌になってしまい、少し遠くの銭湯まで通ったりする羽目になった私なのでありました

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