実家では捨てるものが山ほどありました。
いえ、母が持ってきたのは主に衣類で、99%の物は捨ててくることにしたんですよね
それでも実家を購入される方が使ってくれる家具もあるとかで、すべて廃棄にならなかったのは幸いです。
ところで、ずっと母と暮らしていたゴリラの縫いぐるみなんですけど・・・
廃棄するのは忍びないので、我が家に引き取って一緒に暮らすことにしました
妻が子宮体癌を発症し、夫が扁平上皮癌を発症してしまった夫婦の闘いの日々
どこまで若い気でいるのか知りませんが、我が母は自分のことを差し置くことが多いようでして
施設の隣の部屋の人のことを
「隣のおばあちゃんがね」
などと言ったりしていますが、85歳の母がそう言うほど年上なはずがありません。
先日も書いたように、施設の皆さんと仲良く話ができるようになったと思ったら、
「同じ話を何回もする人がいてねぇ」
「何回聞いても、初めて聞いたように応えてあげるの」
などと胸を張って言う母です
耳たぶを思いっきり引っ張りながら大声で
「おまえが言うなぁあああ!」
と言ってやりたい気分ですが、本人にはまったく自覚症状がないのでしょう
『人の振り見て我が振り直せ』と言いますが、母には通用しないことわざですね
昔の母は気が強く、ちょっとヒステリックなところがありまして・・・
まあ、いわゆる激情型というやつですね。
そんな母が施設で他の入居者さんとうまくやっていけるのか一抹の不安がありました。
おまけに施設に入居しているのは 90%が地元の人で、350キロも離れた町からやって来た気の強いよそ者の婆さんがうまく馴染めるのか、孤立する可能性も少なからずあることは覚悟しておくべきではないかと危惧していたんですけど・・・
それは杞憂に終わりそうです。
施設にはみんなが集まる、ホテルでいえばロビーみたいな場所があるのですが、母は朝から晩までそこに入り浸りで、他の入居者さんと仲良く話をしながら一日を過ごしているのだとか。
さすがに 40年近くも営業職をしていただけあります。
腐っても鯛、いえ、破れても小袖・・・いえ、切れても絹切れ・・・いえ・・・
まあ、とにかく妻と二人で安堵し、胸をなでおろしたりしているところです
本日、めでたく母の部屋に電話が開通いたしました
これで田舎の友人たちとも気軽に話ができることでしょう。
申し込みの際、NTTの『イチリッツ』というサービスも加えておいたんですけど、このサービスは同一県内なら距離にかかわらず市内と同じ料金で通話できるものです。
これって北海道に住む者にとっては実に素晴らしいサービスで、面積が最小の香川県(北海道の約1/200)と比較すると、とんでもない遠距離でも対象となる訳でして
ところが、NTTの締日が 20日なので今回は間に合わず、このサービスが受けられるのは来月の 20日からとのことなんですよね。
それまでの間、母は手短に話を終わらせることができるでしょうか
・・・きっと無理でしょうけど
明日は電話の移設工事があるので施設に行かなければなりません。
なので今日は行かなくても良いと思っていたんですけど・・・
妻が敬老の日でもあるので顔を出した方が良いと言うものですから、とりあえず母の好物である菓子を買い、ついでに使いやすそうなショルダーバッグを買って行ってきました。
やはり他の入居者さんの家族も来たりしていたのか、姿を見るとパッと明るい顔になって近づいてきたところみると、どうやら私たちが来ることを期待していたようです。
買ったショルダーバッグを渡すと思いのほか喜び、何度も礼を言っていました
それはそれで良かったんですけど、つまりはこういうことなんですよね。
離れていれば敬老の日も、母の日も、誕生日も適当にやり過ごせますが、近くにいればないがしろにする訳にもいかず・・・
なんだかちょっと面倒になってきました
銀行というのはニコニコしながらお金を預かるくせに、引き出すのは大変なもので。
義姉が知り合いの話というのを教えてくれましたが、体の弱った親の預金を引き出そうとすると、何が何でも本人の直筆の書類が必要だと言われ、銀行側は頑として譲らなかったのだとか
すでに親御さんは自力で歩行するのも困難なので、銀行まで連れて来られないと言っても一歩も引かず、大揉めに揉めた結果、銀行員が渋々ながら病室にやって来て、親御さんは震える手で書類に記入させられたとのことです
今回、母の銀行口座を作る際、そういうケースになった場合のことを聞いてみたんですけど
やはりどこの銀行も同じようで、何が何でも本人が書いた書類がなければ預金は引き出せないと言われてしまいました。
意思の相通ができなくなったり、本人が意思表示できなくなったら銀行口座は事実上の凍結状態になってしまうのだそうです。
むしろ、本人が亡くなったほうが相続という形式で手続きが簡単なのだとか
なんだか解せない話です
そんな場合に備え、とりあえず最短の手間で口座から預金を引き出せるようキャッシュカードを作成し、一日の引き出し限度額を 50万円から上限の 200万円に変更しておきました。
こうしておけば、いざという時は本人が窓口に行けなくても現金の移動は可能になりますからね