隣の爺さん、色々な意味で面白いです
運動機能訓練の理学療法士さんが制止しているというのに、自分はいつもやっていると200回のクワットを見せつけておきながら、リハビリで病棟の廊下を一回りしただけで太ももが痛いとか言って歩くのを止めてしまいました。
爺さんに付いている学生さんにもスクワットを200回を1日に7セットやっていると自慢していましたが、実はヒザを軽く曲げてピョコピョコとした感じの動きなので効果は薄いものと思われます
その学生さんとはあまり会話が弾まないのですが、爺さんは何かを思いついたように茨城県に関するクイズを出すと言い出しました。
茨城県で有名な特産物を3つ挙げよというクイズでしたが知識に乏しい学生さんには答えられず、爺さんが
「じゃあ、教えるね、正解は 」
と言いましたが、そこで長い長い無言の時間がながれ、
「ん〜なんだったかなっ〜」
と、答えが一つもでてきません
聞いていた私はベッドから転げ落ちそうになりましたよ。
さらにその学生さんにマンガ『美味しんぼ』が実話だと教えて歓心を買っていましたが、美味しんぼは実話ではなく一部のエピソードに実在する飲食店、実在する人物が描かれているだけです。
それに加え、登場人物の海原雄山のモデルが芸術家で美食家だった北大路魯山人であることなどから、爺さんの頭の中では美味しんぼのすべてが実話だと思い込んでいるのかも知れません
あと、手が滑って私がなにかを床に落とすと、爺さんは自分が落としたと思ってベッドの下などを見て、
「ないなぁ」
「どこにいったんだろうなぁ」
と探し始めます
耳が遠いので
「違いますよ、私ですよ」
と言っても聞こえませんし、各ベッドを遮っているカーテンを開けてまで伝えることでもないので、爺さんが探すのを諦めるまで心の中で
「爺さん、ごめんね、俺なの」
と、心の中で謝罪しつつも
「オモロいなぁ」
などと、思ってしまっている私です。