入院中の思い出 scene16 ~やりなおし

入院中の思い出

手術直後は話すこともできず、おむつをして朝から晩まで寝ている生活。

まるで赤ちゃんみたいです

やっと筆談ができるようになっても頭に浮かぶのはひらがなばかり。

小学校低学年で教わる漢字すら書くことができません

痒いところがあっても自力で痒くこともできず、胃ろうから入れるのは離乳食のようなドロドロしたもの

それからは気管に声を出すことができる器具をつけて話せるようになったり、少しずつ漢字を思い出して簡単なものから書けるようになったりと、まるで人生をやり直している感じでした。

そんな気がしていたのは私だけで、はたから見れば単なる寝たきりの爺さんであり、少しずつ回復していく患者に過ぎないでしょうけど

でも、この歳になって自分が目まぐるしく変化するのを体験することなんてできるものじゃありません。

そういう意味においては、ちょっとだけ良い経験になったと、なんとかポジティブなシンキングにしようと努力している私だったりします

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