ママとマスターが開いた店には毎週のように通っていましたが、たまには仕事が忙しくて何週間か行けないこともありまして。
そんな時、どうして来ないのかとママから会社に電話がかかってきたりしたものです
時にはマスターから
「いいカニが手に入ったんだ」
と電話があり、それならばと店に顔を出すとテーブルに並べられたのはサワガニの唐揚げで
「これのどこがカニだっ 」
と言い争いになったりしました。
まだ試作段階の料理を味見させられたり、暑い夏の夜などは店のメニューにない素麺なども酒の〆に食べさせてくれたのですが、それがきっちり勘定に入っていたことが発覚して大喧嘩したこともあります
それでもまた週末になると仕事も何もかも忘れて楽しい酒を飲む日々が続いたのは、やはりママとマスターの人柄なのでしょう。