本当にあった怖い話 第七幕

本当にあった怖い話

それは海外での出来事でした。

ラスベガスで開催されたCOMDEXというコンピュータ関連の展示会に行ったときのことです。

会場から出てホテルに戻ろうとタクシー待ちをしていると、一台のタクシーの運転手が窓から身を乗り出し、私、そして一緒に行っていた会社の同僚に向かって何かを大声で叫びながら手招きします。

どうやら
「そんな長い列に並んでないで乗れよ
と言っているらしいのですが、真面目に並んでいる人に申し訳ないので日本人の必殺技、あいまいな笑顔で無視していると、前に並んでいる外人さんも
「行け行け」
と親指をそちらに向けて言います。

それならばと同僚と一緒にタクシーに乗り込むと、車内に漂う異様な臭い

助手席には食べかけのピザと、あきらかに運転手が自分で巻いたと思われるタバコらしきものがありまして。

 そうです。

その運転手はマリファナ(大麻)を吸ってハイになっていたんですよ

タクシーは猛スピードで信号無視する、ウインカーも出さずに曲がるという大暴走で、運転手は
「Ha Ha Ha~」
とぶっ飛んだ目で大笑いしています

ええ、覚悟しましたよ。

このままどこかに連れ去られるか、大事故で大怪我なら幸運なほうで最悪は命を落とすかも知れないと

手に汗握るドライブが無事に終了してホテルに到着した時は空から虹色の光が射してきたように感じました

同僚と二人、タクシーを降りた時にはヒザがガクガクで意識ももうろうとし、どうやって部屋に戻ったのか記憶がないくらいの恐怖でしたよ、本当に。

もう二度とあんな経験はしたくありませんね

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