入院中の思い出 scene 12 ~眠れない日々

入院中の思い出

眠れない日々を過ごしていた頃、夜中に目が覚めて眠れないまま暗い病室のベッドに横たわり、何もすることがないので薄っすらとした光の中に浮かぶ自分の手を何時間も見ていることが何日も続きました。

両手を伸ばして手を組み、少し力を緩めた際に指の間から漏れて見える光が星のように見え、指の角度を変えたり手の組み方を変えたりしながら、長い時間ずっと見ていたものです

その他にも右手の指と左手の指を格子状に合わせてひし形に見える光を眺め、指の角度を変えてその大きさや形の変化をずっと見ている日もあったり

もう、精神的に参っていた、いえ、壊れていたんでしょうね

人は眠れないと体力が削られ、神経が削られ、廃人のようになっていくものらしいです。

その頃は生きるための活力もなく、後に運動機能訓練の理学療法士さんから
「あの頃は目が死んでましたもんねぇ」
などと言われてしまいました

それは私にとって1カ月にも2カ月にも感じましたけど、数日のことだったのでしょうか。

そんな状態でも面会に来てくれていた妻が、当時の状況を一番良く分かっているのかも知れませんね。

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