次に預けられたのは、老夫婦の息子さん夫婦で、同じくオキザキさんというお宅。
爺ちゃん婆ちゃんの家のすぐとなりで暮らしている一家で、そこには私より5歳年上の長女、3歳年上の次女、そして1歳年下の長男という3人姉弟がいました。
そこに幼稚園児の私が加わったものですから実質4人姉弟みたいな状態で、とても賑やかに過ごしていたものですから、親が仕事でいなくても淋しいなどと感じたことはなかったように思います
オキザキ父さんはテーラー業を営んでおり、御兄弟(たしかお兄さん)と2人でいつも生地の採寸やミシンがけをしていましたし、オキザキ母さんも注文を受けて手縫いや自動編み機でセーターやカーディガンを作っていました。
3姉弟にいじめられることもなく、オキザキ父さんや母さんに実の子と差別されることもなく、小学校卒業までの約6年間ほどお世話になりましたが、それでも心のどこかに遠慮というものがあったように思います
おつかいを頼まれれば進んで行っていましたし、オキザキ母さんが毛糸製品をほどく作業を積極的に手伝ったりもしていましたし
小学校卒業とほぼ同時期にオキザキさん一家が引っ越すことになったのをきっかけに、私が他人の家で過ごす生活にもピリオドが打たれた訳です。
私の両親も育ての親たちのおかげで仕事を続けられたので感謝したでしょうが、私を可愛がってくれた皆さんがいたからこそ、今の私があるのだと心から思います。
本当にありがとうございました