自力で一定以上の大きさに口を開けようとするだけで痛くて仕方なかったので、歯科衛生士さんの口腔ケアを受けるのは、それはそれは辛いものがありまして
2023年8月25日の手術から11月5日までの約2カ月間は歯磨きをすることができませんでした。
口の中の傷や、あらわになってしまった粘膜質部分にブラシが当たってはいけないというのが理由だったと記憶しています。
どうせ胃ろう(『傷痕の変遷』の2)から栄養分を注入するだけですから、何も口にしていないので歯の汚れなどないと思っていましたが、実は唾液とか分泌物だけでも汚れは付着するんですよ
その汚れを落とすため、毎朝の診察の前に歯科衛生士さんが歯ブラシで磨いてくれました。
粘膜質の部分に付着した汚れもスポンジブラシとピンセットを駆使して剥ぎ取ったりするんですけど
その圧力によって、限界の大きさより、さらに大きく強制的に口を開くことになるものですから、『激痛』よりもっと痛い、『爆痛』とでも言いましょうか、そりゃあもう、10段階で17くらいの痛みに襲われ、診察台に座っていても、つま先までピーンと伸びて両手は空をつかんだまま体が固まったりしました
歯科衛生士さんが慌てて
「だ、だいじょうぶですかっ 」
と聞いてきますが、返事なんかできる状態じゃありませんよ。
数十秒は固まって、その後に蚊の鳴くような声で
「が、がんわりわふ(がんばります)」
と、答えるしかない毎日でした
もう、まるでドMの変態プレイみたいで、情けないからか、痛いからか、単に目が閉じないからか、診察台で流した涙の量は、たぶん52.8リットル位に達したものと思われます