取材回想録 -3-

井上きみどり先生は涙もろい・・・というより感受性豊かなのでしょう。

質問に対し、何気なく答えたことで涙されていました。

いったいどうしてしまったのか、なぜ泣いているのかと、こちらが慌ててしまうくらいでして 

「奥さんがガン告知をされたと聞いてどう思いましたか
という質問に対して
「首に縄をつけてでも早く病院に連れて行かなかったことを後悔し、申し訳なく思いました。」
と答えると、目をウルウルさせます 

「病気を通して夫婦の絆に変化はありましたか
という問に対して
「病気を境に絆が太くなったとか強くなったということはなく、昔からずっと同じですね。」
と答えると、またまた涙をこぼされます 

こちらとしては、感動的な話しもなく実に申し訳ないという気持ちで答えているのに、きみどり先生には特別なスイッチがあるらしく、思いもよらないところで涙されるので驚いたり戸惑ったすることもしばしばでした。

しかし、それくらい感受性が豊かな人でなければ作品を通して人を感動させたり笑わせたりできないのかもしれません 

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