同僚が失恋した時に慰めながら飲んだのも、女性社員から結婚の報告を受けたのも、面白くないことがあって憂さ晴らしに行ったのも、ママが勤める居酒屋でした。
いつも通っていた 仲間とは、
- 会計係は若い者の持ち回り
- 無理に酒を飲ませない
- 仕事の話は一切しない
という暗黙の了解がありまして。
1.に関しては、年長者は 500円単位で端数を切り上げて金を出し、
「釣りはいらねぇ」
と大見得を切るのが常だったため、会計係は自分の分を払う必要がほとんどないので若い者 3人に持ち回りで会計をさせていた訳です。
2.に関しては、酒は綺麗に飲みたいので泥酔してはみっともない、吐くなんぞもってのほかと思っていたので、一気飲みはおろか、飲めと酌をすることもなく銘々が自分のペースで飲んでいました。
3.に関しては、酒の席で仕事の話などしても意味がないというのが共通認識だったんですよね。
先輩や上司が偉そうに言ったところで後輩や部下が次の日に覚えているかも分からず、偉そうに言った本人も単に酒の勢いということがままあります。
第一に仕事の話などしても酒が不味くなりますし。
説教された上に割り勘なんて愚の骨頂、説教したけりゃ勘定は上司が払えって話ですよ。
そんなこんなで、嫌なことは一切排除した楽しい酒の席をママが優しい笑顔で見ていてくれました。