ついに母がやって来ました。
あまりにもバタバタしており、あまりにも急だったので実感がありません。
直線距離で約 1キロ、徒歩でも 20分弱の場所に母がいるなんて・・・
まあ、母は私たち以上に戸惑っているんでしょうけどね。
いつもならすでに熟睡している頃ですけど、今日はどうなんでしょう
いえ、あの母のことですからぐっすり眠っているんでしょうね、きっと
妻が子宮体癌を発症し、夫が扁平上皮癌を発症してしまった夫婦の闘いの日々
故郷を離れる際も妻が号泣することもなく、バスの中でお菓子をポリポリ食べているうちに隣町まで進んでいました
ほぼ一週おきに故郷を行き来し、この 40日間での総移動距離は約 3,500kmに達したと思われます。
果てしなく疲れましたが、それももう終わり
あすの午後には母がやって来ます。
午前 8時過ぎに実家を出て、少しずつ母が近づいてくる間は頭の中で、
ズ~ズン・・・ズ~ズン・・ズ~ズン・ズン・ズン・ズンズンズンズン
と、映画ジョーズのテーマが鳴り響き、母が施設に足を踏み入れる際には
ジャージャージャージャジャ、ジャージャジャジャ~ン
と、映画スター・ウォーズのダース・ベイダーのテーマが鳴り響きそうな気がするんですよね。
いえ、あくまでも、そんな気がするだけですけど
午前中にお寺に行き、遺骨を納骨堂から出し、その帰りに市役所で諸々の手続きをして来ました。
まずは転出届けですが、これは書類さえ書けばおわりです。
母が書いている間に私は遺骨を移動するための改葬許可申請をして許可証を発行してもらったので、それで終わりかと思ったのですが、別の窓口で国民健康保険の手続きが必要だとか
で、妻が母の代わりに色々と書類に記入し、やっと終わったと思ったら、さらに別の窓口で介護保険に関する手続きをせよと・・・
そこでも妻が書類に色々と記入し、長くなるので割愛しますが、スッタモンダしたものの、やっとの思いで手続きが終わったと思ったら、また別の窓口で土地の登記に関する手続きが必要だと・・・
もうやけくそ気味になって話しを聞いていると、係りの人が土地の相続がどうしたこうしたと言い出しまして。
土地と家は売却するので相続するつもりはないと答えると、
「売却するにしても一旦は相続が必要でして」
などと言ってくるので何か変だと思ったら、どうやら母が死んだと思ったらしいんですよね
母は一階のロビーで座って待っているというのに、どこをどう間違えたら死んだことになるのか、膝を付き合わせて小一時間ほど問い詰めてやりたい気分でしたが、あまりにも疲れたので苦笑いをしながら帰ってきました。
夕方には家のことをお願いしている不動産業者さんが来てまた色々と手続きの書類の話し・・・
もうイイです。
当分の間、私に書類の話しをしないでください。
またまた実家からお届けいたします。
9月 2日の仏壇店で聞いた話し。
永代供養墓に入るということ、それはつまり宗派を変えることになるという件で、さすがに我が母も悩むのではないかと思ったのですが、いともあっさり
「うん、いいよ」
という返事が返ってきました
息子としてはありがたい限りなんですけど、いささか拍子抜けしてしまいます。
明日は納骨堂から父の遺骨を移動するため、お経をあげてもらうのですが、その際は黒い服を着るべきか電話で聞いたときも、質問が終わらないうちにかぶせるように
「必要ない、必要ない」
と言ってきました
まあ、ごちゃごちゃ言われるよりマシなんですけど、それにしても、ドライ過ぎやしませんでしょうか
母が入る施設は自室に自前で電話回線を引くことができます。
引っ越した直後はまだ慣れずに寂しくて故郷の友人に電話することも多いだろうと思われるので、実家の電話回線を施設に移転することにしました。
そこで電話機も新しくしようと思うのですが、難しい操作はできないし、色々なボタンがあると使い方が分からないと母は言います
昔ながらの電話機でも良いと言うのですが、ずっと自室にいるならまだしも、施設の人と仲良くなって共有スペースに入り浸りになったりすると自室でいくら電話が鳴っても聞こえないでしょうから電話を設置する意味がないんですよね。
そこで、なるべくボタンの数が少なく操作が簡単なコードレス電話機を選んで設置することにしました
普段からお世話になっている電気屋さんにお願いしましたから困ったことがあればすぐに来てくれるでしょうしね
今日は施設に行って 10日の午前中に引っ越し荷物の搬入、午後には母が到着すると伝えてきました。
その帰り道に仏壇店があるのは知っていたので、とりあえず見るだけでもと寄ってみたんですけど・・・
とても感じの良い方が対応してくれたので、ついつい仏壇仏具のことから永代供養墓のことまで話し込んでしまった結果、即決で仏壇を購入するに至ってしまいまして
どのみち必要なものですし、近々に購入する予定だったのでイイんですけどね。
で、その永代供養墓の件で話しを聞いていると、なんとこの町にも宗派や宗旨を問わずに供養してくれる寺があるのだそうです
ただし、それを選択した場合でも母に何かあった際にお経をあげていただいたり、初七日、四十九日などの法要をしていただくお寺さんは必要になるのではないかと忠告してもらいました。
・・・確かにそれは盲点で・・・
母だけではなく、私と妻の時も同様なんですよね。
教えていただいた寺では年間数千円を納めておけば、いざという時にお経をあげていただいたり、法要を営んでいただけるのだそうです。
その点と、事実上の改宗になってしまう点を改めて母に伝え、意向を聞かなければなりませんね
現在、父の遺骨は故郷の寺の納骨堂にあります。
母が故郷を離れると、もう行くこともなくなってしまうので、遺骨も移動したいと考えていまして
帰省の際に母にその件を尋ねてみると、
「好きにしていい」
と言います
つまり、私たち夫婦が暮らす町の同じ宗派の寺に移動しても良いし、他の方法でも良いと。
私たち夫婦には子供がいないので墓をたてても仕方ありませんし、同じ宗派のお寺で新たな関係を構築するのもどうかと思い、ここのところ話題になっている永代供養墓(合祀墓)という選択肢もあると妻と話していたんですよね。
宗派や宗旨を問わず、月々の管理費なども必要なく、一括の支払いで永代にわたって供養してくれる墓で、複数の人の遺骨と同じ場所に合祀されます。
簡単に言えば複数の赤の他人と同じ墓に入るということですね
さすがに母は不満かもしれないと、そんな方法もあると恐る恐る言ってみたところ、
「へぇー、にぎやかでいいんじゃない 」
などと、意に介していない様子でして。
本当にドライな性格で助かります。
まだ少し考えますが、きっと我が家の墓は永代供養墓を選択することになるんじゃないでしょうか