その日、その時、その瞬間、母は実に冷静でした。
知らせるべきか悩んだりしていましたが、妻との協議の結果、
「知らせないで恨まれるより知らせて恨まれたほうがマシ」
という結論に達したため母も同席して医師の話を聞くことに。
横行結腸がんのステージ2。
それが医師から告げられた検査結果です
それを耳にした瞬間は少し動揺したようでしたが、すぐに冷静さを取り戻して話を聞く母。
腸の内腔が腫れて 1cm程度しか通り道がないこと、その部分からの出血が続いているため貧血状態になっていること、他の臓器への転移は見られないことが説明されました。
そして、今後の対策としては『手術』『抗がん剤治療』『緩和ケア』の三択になると知らされた母は、
「この歳になって体に穴を開けたり切られたりするのもねぇ」
などと言いつつ、このまま何もしないと即決して医師や私たちを慌てさせます
このまま放置すると貧血状態が続き、失神を繰り返す可能性が高いこと、輸血が必要になって頻繁に通院が必要になるかも知れないことを伝えられ、手術すれば少なくとも出血は止まると聞かされた母は、考えを改め手術すると決断
循環器科、外科の検査を受け、一旦退院してから手術の日程を調整することなどを話し、今回も丁寧に書かれた説明書を受け取りました。
面談室を出て、さすがに少しだけ放心状態になりつつ病室に向かった私たちです