朝からゴロゴロしたり、ブラブラと買い物に出かけたりしている。
とても久しぶりで、とても貴重な時間に思える。
明日の早朝、また病院に向かわなければならない
これから始まる治療が妻にとって体力的にも精神的にも負担の軽いものであってほしいと心から願っている。
とにかく気合を入れて、戦 (いくさ) に向かう心構えで明日を迎えることにしようと思う
(共に闘う夫)
妻が子宮体癌を発症し、夫が扁平上皮癌を発症してしまった夫婦の闘いの日々
近所に買い物に行ったら、髪を切ってもらっている美容師さんに会った。
入院していることも知っているし、手術前にもバッサリ切ってもらっている。
今は外泊中で、正式な退院は来週になると話し、抗がん剤で髪が抜けることも話した。
退院後に、さらに短くしておきたいので、帰ってきてから髪を切ってもらうようにお願いしておいた。
そして、
「お客さんで抗がん剤を受けている人もいるし、今は元気になっているよ。」と励ましてくれた。
また泣きそうになった
昨日、先生の前で泣いてしまったので、今朝の回診で「元気になりましたか?」と言われてしまった
午前中、担当の看護師さんから化学療法の説明を受ける。
私が受けるのは、ドセタキセル(タキソテール)+カルボプラチンという薬で、この組み合わせが「DC 療法」と言うらしい。
副作用は、吐き気(吐く場合もある)、食欲不振、便秘または下痢、手足のしびれや関節痛、そして脱毛。
抗がん剤で髪の毛が抜けない場合もあるらしいが、昨日の説明ではっきりと「抜けます!」と言われた。
入院中に、抗がん剤治療を受けている人を見ていたし、知り合いになった人いるが、まさか自分もそうなるとは
看護師さんに、
「病棟には沢山抗がん剤の人いるでしょ。
大丈夫だからね。みんな頑張ってるし、頑張ろうね。」
と言ってくれた。
また泣いてしまった
・・・。
肩の力が抜けた。
先ほどとは違う意味で妻の涙が止まらない。
今は 2008年、ネットで調べることができた 5年生存率は 1996年のものなので 10年以上も前のデータだ。
あくまでも冷静かつ穏やかに医師が手書きで図を書きながら説明しくれた。
妻も書いている確率は医師の説明によると完治率ということだ。
I期 完治率 98% II期 完治率 85% III期 完治率 80% IV期 ?(説明受けず) □□□ 追記 □□□
その後、グレードが関係していることが判明。
完治率 5年生存率じゃないのか
妻のステージ(病期)は IIIc、完治率は 80%ということになる。
残りの 20%が何かと言えば、今後 5年間で転移したり再発したりする確率なのだそうだ。
たとえ転移や再発をしてしまう 20%に含まれてしまったとしても、抗がん剤治療、放射線治療、摘出手術などの治療を続ければ良いと言う。
結論を急ぐと、現代医学の技術をもってすれば子宮体がんで死に至るケースは極めて少ないのだそうだ。
聞かされたのは以前のような 5年生存率、一般に言われる 5年間は生きていられる確率ではなく、癌が治る確率だ
希望と力が体内の奥底から湧き上がって来るのを実感できる
(共に闘う夫の携帯電話)
午後から夫と一緒に、病理検査の結果を先生からお聞きした。
残念ながら、抗がん剤6回が決定。
子宮:筋肉の半分ちょっとを超えていた
リンパ:11ヶ所中 2ヶ所に転移あり
(傍大動脈の10ヶ所中の1ヵ所、骨盤内の1ヶ所)
結果として、Ic ではなく IIIc期との診断。
III 期で20%の人は再発をするが、再発をしたらまた治療をしたらいいのであって、そこで終りということではない、という心強いお言葉。
頑張って抗がん剤の治療を受けることにした。
夕方、長兄夫婦が病院に来てくれたので、その旨を説明した。
病理検査の結果 IIIc期と診断される。
IIIc ・・・・・。
以前にネットで調べたステージ別の生存率だと IIIcは古い情報で 30%、新しいものでも 54.3%・・・。
そんなに進行していたのかと目の前が暗くなり、横で涙を流す妻にかける言葉も見つからない。
「だったらどうして Ib なんて言ったんだ!」
確かに主観的とは聞いていたが、医者から楽観論を聞かされたら患者としては喜び、その意見に希望を託してしまう。
8月18日に聞かされた主観的ステージを思い出して腹立たしさすら覚える。
担当しくれている看護師さんが泣きじゃくる妻にティッシュを渡しながら
「大丈夫!治るよっ!」
と声をかける
私も (これは覚悟が必要なのかもしれない) と思いつつ医師の話を聞いていたのだが、どうも様子が違う
そ、そんなに悲観したり悲しんだりする必要はないのか
(共に闘う夫の携帯電話)